第2回 オンライン映画部活動記録(2020/7/9実施)
『スケアリーストーリーズ』(2019)
監督:アンドレ・ウーヴレダル(『ジェーン・ドウの解剖』)
脚本:ダン・ハージュマン
ケビン・ハージュマン
ギレルモ・デル・トロ(『パンズ・ラビリンス』『シェイプ・オブ・ウォーター』ほか)
出演:ゾー・マーガレット・コレッティ
マイケル・ガーッサ
ガブリエル・ラッシュ
オースティン・ザユル
公式サイト:https://scarystories.jp/
参加者
小林、T.H、O.Y、加藤
小林
『映画の中身よりも遥かに怖いもの』
この映画は書かれた人物が死ぬ、呪いの本を見つけた若者たちが、自らに降りかかった呪いを解くまでのお話しである。
呪いの本に書かれた人物は惨たらしい殺され方で死ぬ。
でも一番怖いのはこの映画の背景にあるベトナム戦争である。
この映画の合間合間にはベトナム戦争に関わるシーンが挟まる。
TVのニュース。徴兵の申し込み。
ヒーローの青年もベトナム戦争へ行くことを拒絶したことでどこにも居場所がない。戦争へ行かない彼は腰抜け扱いされ不審者扱いされている。
彼の境遇によって若者たちは警察に逮捕されたり、ピンチにも陥るが、それを乗り越えて自分たちに降りかかった呪いを解いていく。
ラスト、呪いを解き、消えた友達を探す前向きなシーンでこの映画は終わる。
だがあろうことか徴兵を拒絶したヒーローの男はベトナムへ行ってしまう。
その心変わりは正直わからないが……。
戦争という大きな物語からは逃れられないことを象徴しているのだろうか。
監督のしたたかな思いは映画の中身よりも遥かに怖い。
T.H
ファンタジー度 ★★★☆☆
グロテスク度 ★★☆☆☆
総評 ★★★★☆
とある館で手に入れた本をきっかけに、一緒に行動していた子どもたちが次々に怪奇現象に襲われる中、原因を探っていくというホラー映画。
オカルティックでファンタジックな「呪い」のためか、現実感があまりないので、それほど怖くはないですね。じわじわ迫ってくる超常現象とかの方が自分は怖く感じないから、でしょうか。
オカルトな描写を除けば、ストーリーはあくまで本にまつわる謎を解くだけ。ただ、この監督特有のヤバさ感は至るところに入っているので、その圧が嫌な感じはするかもですね。
ファンタジー映画の延長ってイメージで楽しめました。
加藤
題名があまりにも期待を盛り込みすぎていたために、少し拍子抜け感が否めなかった。
ヌルっと怖くさせる系の映画ではあるが、対象年齢を子どもに向けているためか大分表現はマイルド。もっとガチで怖がらせに来ても良いんだよ!と思ったが、私自身の感覚はぶっ壊れている気もしているので、なんとも言えません……。
最後は、想像以上に爽やかに終わるので、スタンドバイミーを観る感覚でぜひ観ていただきたいです。
※2020/8公開、2022/7/2再編集。画像はお借りしています。