映画部活動報告

月1くらいで開催される映画部の活動報告場所

第12回 映画部記録(2021/8/13実施)

『新 感染半島 ファイナル・ステージ』(2020年・韓国)

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com
公式サイトhttps://gaga.ne.jp/shin-kansen-hantou/

監督ヨン・サンホ
出演カン・ドンウォン
   イ・ジョンヒョン
   キム・ドユン
   クォン・ヘヒョ
   イ・レ

予告


前作予告:


参加者
小林、K.Y、F.M、加藤

小林

続編成功度 ★★★★★
熱い映画魂度 ★★★★★
生き方問われる度 ★★★★★

生き方を問う続編魂炸裂のエンターテイメント!!

低予算で作った映画がヒットし、2作目を大スケールで製作すると大抵は駄作になってしまうというのは映画界あるあるである。

一方好みはあるが、2作目も面白いと言われる続編魂が炸裂した映画もある。

ターミネーター2エイリアン2……デモンズ2(これは誰も知らないし、好きなのは俺だけか)。

2作目が面白い映画作品に共通するのはジャンルもテーマも変えてしまっていることだ。キャラは借りてきてもゼロから映画を作り直しているのだ。

エイリアンもターミネーターも続編ではホラー→アクション映画にジャンルを変えている(これの良し悪しは別として)同じことをしていないし、別なテーマで一本の作品を作っている。

この感染半島も密室劇、駅馬車スタイルのホラー映画だったのを、今作ではアクション映画にジャンル変更している。
テーマも「どう生きるか」に変わっている。

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com

ゾンビから逃れ、生き残るために他人を無視し、姉を見捨てた主人公は、ポスト・アポカリプスと化した半島で生き残った家族と出会う。彼らと半島を脱出するためにサバイバルを繰り広げるのだが、この映画のテーマは生き残るのではなく、「どう生きるか」なのだ。

ラストシーン、家族のためにゾンビの大群をおびき寄せ、車に立て篭もる母親。普通なら母親が犠牲になって、子どもたちが生き残るというお涙頂戴シーン。

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com

だがこの映画は違う……。
絶望の中、もう一度主人公は母親を助けにいくのだ。
生き残ることが目的なんじゃなくて、どう生きるかが問われているからだ。

もうこのシーンは涙無くしては見られない……😭
伏線も効きまくっており、このシーンのために冒頭からしっかり映画が構成されている。
最後に助かった少女が、ポスト・アポカリプスと化した半島での暮らしを「幸せ」だったと話すシーンも涙が止まらない。
「家族で暮らした」半島での生活は、他人から見たら地獄のような暮らしでも幸せだったのだ……。いやもう涙が止まらない。。。

この映画を見た人は面白かったと同時に「自分もどう生きるか?」を考えさせられるだろう。

見ていない人にはぜひ見て欲しい。素晴らしい映画です!

K.Y

爽快感:★★★★★
感染しそう度:★☆☆☆☆
おすすめ度:★★★★☆

ハリウッドじゃなくても、ここまで作れるんだとちょっとビックリ。

韓国のゾンビ映画

正直、事前情報を全然入れておらず、期待はしてませんでした。
『ゾンビーバー』とか『シャークネード』レベルのB級映画と思っていました。

前作を見てないので詳しくはわかりませんが、とにかくゾンビウイルスが韓国で発生し、パニックになった的な内容が前作までで、今作は崩壊した韓国を脱出した主人公が韓国に戻って、ドンぱちするっていう内容です。

  • ウイルスの潜伏期間が短いから、ここまで感染拡大するのが異常だ
  • ゾンビの特性から、軍が動けば、数週間で殲滅できそう
  • 主人公が感染しないのが不思議
  • 車のガソリン補給どうやってるんだ

ということを考えて観てはいけない。

ドラゴンボールサイヤ人の設定、後付けだろ」

とツッコむくらい野暮です。

俳優さんたちの演技はいいし、ゾンビの特殊メイクや動きの素晴らしかった。
カーチェイスシーンもハリウッドで作ったって言われても疑わないレベルでした。

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com

多少ご都合主義なんじゃ……って思うところもありましたが、それを忘れさせるアクションとストーリーで、非常に爽快でした。
韓国映画は見ていませんでしたが、ちょっと興味が出てくるレベルです。

こんな映画が韓国でも作れるなら、日本映画終わりなんじゃないかと考えてしまいました。

映画を多く観るわけではないですが、「数年レベルで日本の映画真面目に見てないなぁ」とちょっと切なくなったので、星4つです!

 

加藤

見事に裏切られた度:★★★★★
胸熱度:★★★★★
カッコいい女子に惚れる度:★★★★★
総評:★★★★★

「2作目は駄作」を打ち破ったゾンビ映画

ゾンビ映画といえば、『新感染 ファイナル・エクスプレス』というゾンビ映画ファンは多いはず。

新幹線にかけたタイトルがネタすぎて、「おいおい、配給会社さぁ……」とあきれながらも誰かとの話題にはなるだろう、と観てみたらまさかのクオリティの高さ! 当時、韓国のエンタメに日本は取り残されている……と感じた人も少なくなかったはずだ。

私もまさにそんな感じで『新 感染』にハマった。アジアからのこのレベルのゾンビ映画が今後登場することはないだろうと思える面白さ。電車内という限られた空間のなかでのゾンビの死闘のなかで、しっかりと人間ドラマも描かれ、話題のキャストが勢ぞろい。『パラサイト』の長男役で評価を受けたチェ・ウシクも出演していた。

ゾンビといったら『新感染』。キャスト的にも続編は難しいだろうし、あれは唯一無二のゾンビ映画だ! なんて思っていたところに届いた、続編の制作決定という速報。正直、失敗するフラグがめちゃくちゃ立っていると思った。

そもそも、ゾンビ映画っていうだけで勝率は低いのである(誰の?というのは置いといて)。

・大人気作の続編
・しかも、ジャンルはゾンビ

この時点でヤバそうなニオイがする。

そして、続報で明かされていったのは

・主要キャストは変更
・前作は電車内でのゾンビとの戦いだったが、今回は戦いのフィールドを広げる
・前作から数年後の世界が舞台

内容が明らかになればなるほど、「あかん」と思った。

失敗するフラグがそこかしこに立ちまくっている。この要素を並べられただけで成功の文字は遠い。

そもそも、前作は電車内でゾンビと戦うシチュエーション×ゾンビが良かったのであって、フィールドを広げたらそれは新感染じゃないだろ! とも思った。

公開日が決まっても、わくわくというよりもヒヤヒヤといった感情が大きかったくらいで、コロナは少し落ち着いているとはいえ、駄作の予感がぬぐい切れない作品をわざわざ観に行くか? と続く自問自答。

そりゃあ、前作は面白かったし、どう考えてもゾンビ映画は劇場で観たほうがいい。「ゾンビ映画は駄作すらも愛する」は私のモットーだけど、今回はあまりにも賭けがすぎないか?

などなど……何度考えても答えは出ないのである。

結果、先駆者(O.Kさん)の「面白かった」の言葉を信じて、4DXで観たのだが……ヤバいフラグが乱立していたのに、めちゃくちゃ面白かったことに興奮しながらも困惑したことを覚えている。

興奮要素は全部盛りで!

人間ドラマにアクション要素、魅力的な悪役、でかい車を乗り回す少女、子どもを守るために銃をぶっ放す母親……もっともっと書き連ねたいところだが、とにかくドラマが詰め込まれすぎているのが『新 感染』という作品(前作は初恋に親子愛に、家族愛に人間の醜さに……やはり濃かった)。

前作もそうだが、それぞれのキャラクターが立っているのが本当に面白い。それぞれの人物たちの話し方やエピソードに、彼らのこれまでの生活が透けて見えるから感情移入がしやすいのだ。

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com

さて、本作の舞台は前作の4年後。ゾンビウイルスによって、韓国本土は荒廃してしまい、人はおろか動物すらもいない状況になった世界での物語だ。

前述しているが、前作で描かれたのは電車内でのゾンビとの死闘である。そのため、私たちはその背後で市民がどんな風に避難をしていたのか、政府の対応はあまりよく分かっていない。

その“分かっていない部分”を本作では物語の導入にうまく落とし込んでおり、それがまたキャラクターたちの関係性に深みを持たせている。

また、個人的には韓国の作品といえば“伏線回収が秀逸”という印象を持っているが、本作においてもその技術の高さをいかんなく発揮。物語においても、アクションにおいてもきっちりと伏線を回収し、アクションでは「まさか」の展開があるために爽快感も高い。初見の際には、こう来るのか~! としびれてしまったシーンでは、今回もまんまと大喜びしてしまった。

主演 カン・ドンウォンにひれ伏したい

カン・ドンウォンなんて呼ぶのはおこがましいので、もはやカン・ドンウォン様ですよ。ええ。

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com

カン・ドンウォンといえば、約15年ほど前のイケメン俳優の代表格。彼の出演作にはWeb小説を原作にした悲恋系のアイドル映画もある。

そんなイケメン俳優なカン・ドンウォンは現在40歳らしいが、そもそもそんな年齢に見えないのが問題である。まず、返り血にぬれた姿がカッコよすぎる。イイ男は血濡れが最高! と、この映画で植え付けられてしまった。罪。

もちろん、他にも見どころはあって

・長めの髪をたなびかせて、ゾンビに追われながらも失踪する姿。
・大きな瞳で敵をにらみ、迷うことなくゾンビを撃ち殺していく様。
・子どもと接するときのぶっきらぼうながらも、優しいまなざし……。

スタイルも良いから、当然のようにアクションも決まる。個人的には、カン・ドンウォンの冒頭の蹴りが大好物だ。

新感染半島 ファイナル・ステージ- 映画.com

今後もしも私がゾンビになることがあったら、カン・ドンウォンに撃たれたい。ゾンビになった瞬間に、迷わず海を渡ると決めている。

ついでに、これからの人生で最低5000回はしていきたいカン・ドンウォンを語るうえで欠かせない彼の出演作は「私たちの幸せな時間」だと勝手に思っている。全人類に観てほしい。

すべての幸せを諦めて、死を受けいれるカン・ドンウォンが本当に本当によすぎるので。原作の本もコミック版も衝動に任せてわが家にあるので、ぜひ興味がある人は言ってください(隙あらば布教)。私は死ぬほど泣いて目が腫れました。

カン・ドンウォンの話しかしていないが、演者は全員最高です。悪役すらも表情が良すぎて、この俳優はマークし続けるぞ!と思ってしまう……。

デカい車を乗り回す少女・イ・レちゃんも可愛いし、強いし、目力の強さが本当に素敵。と、いろいろ書きたいのですがこれ以上は止まらなくなりそうなのと、まとまらなかったのでここまでにしておきます。

『新 感染』はマジでいくらでも語れるな……。

※2021/8公開。2022/7/10再編集。動画・画像はお借りしています。