映画部活動報告

月1くらいで開催される映画部の活動報告場所

第8回 映画部活動記録(2021/1/22実施)

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)

監督・脚本押井守
出演古川登志夫
   平野文
   鷲尾真知子
   藤岡琢也

参加者
小林、O.Y、K.Y、K.M、T.K、O.K、加藤

小林

悪夢度:★★★★★
もう一度見たくなる度:★★★★★
総評:★★★★★

大学生の時に見てから何百回も見ている。

私は和光大学という学生自治区は24時間過ごせる大学で4年間過ごした。演劇サークルにいたので公演前になると1週間くらい徹夜したり、学校に泊まったりしていた。

学生の演劇サークルで起こることはSEX、SEX、SEX、逃亡、嫉妬、そしてバイオレンスみたいな滅茶苦茶な状況だった。

公演前は滅茶苦茶な人間関係を整理して回ったり、公演を成立するために雑用に回ったり、もうやれることはなんでもしていた。

そして公演当日。打ち上げ。

楽しい打ち上げや公演当日もあったはずだが、今でも覚えているのは公演前の滅茶苦茶な状況なのだ。

サークルだけど公演ごとにメンバーは変わるし、4年になったら卒業するし、舞台が終わったら全ては消えてしまう。

やっぱりお祭りの前が一番楽しかったんだろうな。これがビューティフルドリーマーなんだろうなぁ。

公演のメンバーであーだこーだやって、めちゃくちゃやっていた毎日が。

それとも今会社にいて、子供がいて、新しいサービスを進めている毎日が、実は大学生の私が見ている夢なんだろうか、だからこのサービスは……。

 

K.Y

ブコメ度:★★☆☆☆
もう一度見たくなる度:★★★★☆
総評:★★★★☆

落ちを知ってしまえば、そうでもないかも知れないですが、
ブコメと思っていたが、初見では下手なホラーより恐ろしい。

何がなんだかって感じです。
ブコメを求めているなら、これではないと思いました。

専門家のT.Kさんの説明を聞くと、思いのほか深い作品だということがわかりました。
また、この作品の監督とは絶対仕事したくないと思いました。

 

T.K

また観たい度:★★★★★
押井守感(?) :★★★★☆
しのぶさんの可愛さ:★★★★★
ラムちゃんの可愛さ:★★★★★
総評:★★★★★

今回の作品はうる星やつらの劇場版として最も有名で賛否分かれる『ビューティフル・ドリーマー』です。

高橋留美子先生が「これ私の作品じゃなくて押井さんの作品ですよね(意訳)」とキレたという逸話がありますが、押井守作品好きにとってはハマるかと思います。

学園祭前日の友引高校でいつまでも終わらない準備にずっと明け暮れる。オチを言ってしまえばずっとラムちゃんの夢の中でどんちゃん騒ぎし続けているというお話です(ところで皆さん『うる星やつら』シリーズ観てないというのマジなんですかね? 中学の頃とか普通に話通じたもんですが……)。

時間の流れ方というか認識がボケる感じなんですかね。ただ同じ1日を繰り返すのではなく、時間が進んでいる感覚だけがボケている。

今回の映画部で改めて見てみて思ったのですが、『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンドレス・エイトと涼宮ハルヒの溜息は設定的にちょっと似ていますね。

時間を繰り返すのと、妙に都合よく設定された世界、最終的には夢として終わらせるとかとか……

とりあえず何度でも観てほしいシーンがあってですね、ハリヤーで飛んだ翌朝の朝食、あたるの家で大人数でワチャワチャと動いているシーンがあるんですよ。

ここ全員が全員バラッバラかつ繰り返しではない動きしているんですよね〜すごい気合の入った作画でニヤニヤしながら観ていました。

あと作中に何度も出てきますがしのぶさん可愛くないですか? ラムちゃんが可愛いのはそれはそう。そうなんだけど! なんかしのぶさんいいんですよ!

最後の最後、夢邪鬼のやつまだ学園に居るんですよね〜。そのせいで「え、夢から覚めたんだよな?」とラストちょっと不安にかられるあたりも好きです。

夜中に観始めてそのまま寝るとどこまで映画だったのかわかんなくなるのも良いですね!

うる星やつらファンというか、押井守ファンというか、メガネの長台詞のファン(?)の方は是非見てみてください〜

O.K

考えるな感じろ度(TENET?):★★★★★★★★★・・・・
映画部の良さが出ていた度:★★★★★
もう一度見たくなる度:★★★★☆
総評:★★★★☆

考えるな感じろ

「ループもの」の名作と言われているらしい本作。とはいえ「うる星やつら」の劇場版でしょ? と正直あまり期待せずに見始めたのですが、裏切られました。

明るい日常に少しずつ浸食してくる“異変”の描写が怖いし、想像以上に難解だし、たぶんいろんな作品のネタがちりばめられているんだろうな~と思いつつも、途中から頭の中は「考えるな感じろ……」状態(笑)。なんとも不思議で、不気味で、強烈に記憶に残る一本でした。

ちなみに、うる星やつらに詳しくなくても大丈夫ですが、1話だけは見ておいたほうがもっと楽しめるかも。

これこれ、映画部に求めていたもの!

恥ずかしながら今までこの作品自体を知らず、今回の映画部がなかったら見ていなかったと思います。新しい映画との出会いがあるのも映画部の醍醐味ですよね。

鑑賞後のT.Kさんの解説もありがたかったです。できれば副音声で話していただき、もう一度鑑賞したいですね!金曜ロードショーTwitterも放映中に裏話とかリアルタイムでツイートしていますし、そういうのも楽しそうだなーと思いました。

加藤

そのへんのホラーより怖い度:★★★★★
何が何だか度:★★★★★
もう一度観たくなる度:★★★★☆
総評:★★★★☆

私にとって「うる星やつら」といえば、懐かしのアニメ特集やら、ランキングやらでしか見かけないアニメといったイメージ。

連載されていた年代もあるのかなぁとも思いましたが、80年代に連載されていた「ぼくの地球を守って」や「シティーハンター」は読んでいるので、私がただ触れる機会がなかったというだけみたいです。

とにかく、人生初の「うる星やつら」でした!

パッケージ詐欺甚だしい

今回は最寄りのTSUTAYAにDVDがあるとのことで、私は前日にレンタルをしておりました。

ノーラン作品ぽいとか色々と前情報は聞いていましたが、そうは言っても「うる星やつら」の劇場版なわけで。軽い気持ちで観れるのかなぁと思っていたんです。

パッケージ裏には「時空を超えたドタバタラブコメディ(ハート付き)」なんて書いてあったし。

なんたって、あの「うる星やつら」なわけだし、きっと想像通りのテンションの作品なんだろうなぁ……と。

まあ、そんな私の安心は大きく裏切られるわけですけど。

とはいっても、私がコメディじゃない! と思っているだけで、鑑賞中に小林さんは「笑えるからコメディ」と言っていたので、私の基準がおかしいのかもしれません。

繰り返される日常のなかで、少しずつ違和感に気がついていく感じ……じわじわと“当たり前”が侵食されている感覚って、そのへんのホラーより怖いですよね。

この映画が「うる星やつら」なのかは分からない

観終わって思ったのが、「そもそも、この映画って『うる星やつら』という枠で良いのか? 」ということ。ファンのなかで賛否がわかれるのは、とても理解できます。

作品自体のクオリティは高いですが、原作ありきの劇場版映画で原作のトーンとは異なった作品を出してくるのは、なんとなく違うのでは? という気もしてきます。

しかし、作品としてはとても楽しめたし、押井作品への興味も以前より高まりました。少しずつ手を出しやすい作品も教えてもらえたので、漁ってみようかなと思います。

作品に詳しい方がいると、解説もしてくれるし、次の道しるべも示してくれるし。とても楽しく発見の多い映画部でした!

※2021/1公開。2022/7/2再編集。画像はお借りしています。