映画部活動報告

月1くらいで開催される映画部の活動報告場所

第17回 映画部記録(2022/5/20実施)

『ランドシャーク / 丘ジョーズの逆襲』(2017年・アメリカ)

公式サイトhttps://landshark.crayonsite.com/p/2/

監督:マーク・ポロニア
脚本:マーク・ポロニア
キャスト:サラ・フレンチ
     ピーター・バルド
     キャサリン・スー・ヤング
     エリック・スプディック
     アンマリエ・リン・グレイシー

予告

参加者
T.H、K.Y、K.S、小林、加藤

T.H

サメのチープ度:★★★★★
ロマンス度:★★☆☆☆
おすすめ度:★☆☆☆☆

「サメ映画は裏切らない」

サメなのに陸。この時点でもうハラハラドキドキワクワクですよね。

サメがどうやって陸を動くというのか。人工的に足が生えた? あるいは空を飛べる? どんな展開が待っているのか、胸が勝手に膨らみます。

ネタバレになってしまうので、多くは語れませんが、この映画のサメはとある大きなプロジェクトのために人間によって飼われています。少なくとも野生のサメではありません。

そして、とある能力を持っている凶暴な種です。血しぶきも結構派手に上がるので、スプラッターが苦手な人にはちょっとつらいかも……覚悟して見てくださいね。

サメ映画特有(?)のお色気シーンももちろんあります。サメといえばビーチ、ビーチといえばムチムチの水着美女! ヒャッホーイ!

……って、いまのご時世、こんなことを言っちゃセクハラで訴えられちゃいますよね。でもやっぱり、伝統的に美女とサメは仲良しだから仕方なし。

ジョーズ」で培われたサメという種族への根源的な恐怖とスプラッター表現、後半にかけてのたたみかけるような驚く展開と、息つく暇もありませんでした。

そんな本作ですが、ひとつだけ残念だったのはロマンス描写が少ないこと。

登場人物の中で、元恋人の女性所長(メガネ)と、男性の研究員(ヒゲ)、そしてその部下の女性研究員(メガネ)が出てくるのですが、きっとこのヒゲは元カノメガネに未練たらたらで、でも部下メガネも絡んで……と思っていました。危険を救ってくれてありがとうぶちゅーみたいな。

ところが、クールビューティーな元カノメガネも、メガネを外したらそうでもない部下メガネも、全然ヒゲとの絡みはなし。やっぱ恋愛要素は必須ですよねぇ。まあ、未来的な武器も登場するので、その演出やCGに予算が取られてしまったことも理解はできるのですが。

というわけで、サメと陸というミスマッチから想像した以上の素晴らしいキャストと完成度の低さを誇る映画でした。

なので、まだ見ていない人は永遠に見る必要はありません。今すぐこのタイトルとともに忘れることこそが、唯一の幸せへの近道です。

K.Y

感想を川柳にまとめました。

  • サメ映画 質の低さは 保証済み
  • 撮影が 楽な設定 陸ザメは
  • 伏線が バレバレすぎて 伏せてない
  • サラサラな 血が流れてる 死体役

以上です。

K.S

海辺を歩く水着女性(セクシー要素)、人が死ぬシーンは血糊だけで表現し経費削減、サメが迫ってくるシーンはサメのヒレだけを映すことで表現する。以上、B級サメ映画の基本は抑えている。

しかし、映像がチープすぎる。ウィジャシャークのようなとんでも要素もなく、笑えるシーンがあるわけでもない。

サメ映画の最低辺を見た気がします☆

小林

ランドシャークを勧める度:★☆☆☆☆
シン・ウルトラマンを勧めない度:★★★★★

ハラハラドキドキさせる映画の種

ランドシャークはドキドキする映画だ。最後まで私はハラハラしながら見た。クオリティは酷い。いやわざと酷く作っているんだろう。

陸に上がってくるサメはぬいぐるみだ。何回も言うが着ぐるみではない。ぬいぐるみである(笑)

どう見てもオモチャにしか見えないレーザー銃を手に持って、2010年代とは思えない効果音とともに主人公達は陸に上がってくるサメに立ち向かうのだ! 笑いも絶えないが、ハラハラして楽しめる。素晴らしい時間だった。

何でハラハラしたのか?

それは観客だけが知っている秘密を握っているからだ。そして秘密を知らないことで主人公はピンチに陥ることが想像できるからである。映画を見ながら、観客は目の前には見えていないものを同時に見ている。

ここで改めて映画の発端を説明すると、生物兵器として改造された陸に上がるサメ3匹が研究施設から脱走。人を食い殺しまくる。

研究施設の職員の男女は逃げたサメを駆除するため、レーザー銃とサメセンサーを携え、追いかける。

2人のバディムービーとしてストーリーは進むが、実は男の研究者には秘密があった。

実は密かに改造されたサメのDNAを注射しており、自らを被験者としてサメ人間になっていたのだ(大爆笑)

大爆笑と言えば大爆笑なのだが、実は1番危険なヤツが主人公の1番側にいるのはスリリングだ。サメを倒す度に鳴り止まないサメセンサーの音で観客はドキドキする。男の様子も後半ドンドンおかしくなっていく。主人公の女性に危害を加えるのは容易に想像ができる。

我々は主人公の女性に言いたい。

「1番ヤバいのはあの男です」と……「サメ人間だ!」と!(大爆笑)

そして想像通りだが、映画のラストはサメ人間に変身した男に襲われる。

危ない!言わんこっちゃない。

いや言ってはいない。想像していただけだ。笑 しかしラスボスなのに、このサメ人間がめちゃくちゃ弱いので、この映画はギャグで終わる。

だが私にはここまでハラハラドキドキさせてくれただけで映画としては一本の筋が通っていたと思う。

同じようなアイデアをA級のスタッフと天才グローネンバーグ監督が奇妙なラブストーリーにしたのが「ザ・フライ」なので、ランドシャークもしっかり作ればA級だったろう。

恋人がハエ男になってしまうのはとても怖いし、悲しい。

ザ・フライ
https://filmarks.com/movies/22918

ところで大ヒット中の「シン・ウルトラマン」なる映画を見たが、私にはランドシャークよりも遥かにつまらなかった。

何故だろう。

やっぱりハラハラドキドキがストーリーに全くないからなのだ。

基本的にはTVシリーズウルトラマンに忠実なストーリーをオムニバスの総集編の如く詰め込んでいる。

私がもちろんウルトラマンTVシリーズを事前に見たことがあると言う前提はあるけれど、新しく映画を作る意義として、ここまで同じものを作る必要があるのだろうか?

またTVシリーズから抜粋した4話程度の話を詰め込んでいるが、それを貫き通すテーマや課題がなくバラバラ感が拭えない。

主人公は元々非人間的なキャラであり、ウルトラマンであってもなくても奇人なので、正体がバレるようなハラハラもない。

新しいアイデアや展開も無ければ、観客だけが知っている秘密もないので、全く盛り上がらない2時間だった。映画を2時間見なければ解決しない映画の中の課題が全くないのだ(分からなかっただけかもしれないけど)。

それはランドシャークで言うなら、逃げた3匹のサメを殺す。そしてサメ人間を殺す! ということなんだけど。

シン・ゴジラには、それがあった。

人類の叡智を結集して、最後の最後まで最強・最悪の怪獣に戦いを挑む人間たちという分かりやすいストーリーにハラハラした。

ランドシャークにもあった。しかしシン・ウルトラマンにはなかった。

何で無かったのかはよく分からない。

諸事情なのか。庵野秀明が元々ウルトラマンに興味ないのか。監督が樋口だからなのか。

でも大ヒットしているから良いのか?笑

ランドシャークを見て、学ぶべきところは沢山ある。映画を見て観客をハラハラ・ドキドキさせるという根幹を私は改めて見つめ直すことができた。

皆さんには★1つでランドシャークをお勧めしたい。

加藤

期待して後悔度:★★★★★
もう一度みたい度:☆☆☆☆☆

つまらないだろう、と思って観たものの、期待以上につまらなくて悲しくなりました。ツッコもうと思えばできるけど、それをしても「そうなんだよねー……」とテンションが下がるので始末に負えません。

そう考えると、ウィジャ・シャークってかなりのエンタメでした。ラスト10分は未だに思い出すと観たくなるし、そう考えると「アベンジャーズ エンドゲーム」的な要素もある気がします。

以下、感想です。

  • 水槽にすっぽりとはめ込まれた殺人サメ
  • 水槽にはまったサメの映像が酷すぎてツッコミ不可避
  • 笑えないのに、登場人物はみんな笑ってるジョーク
  • 怪人サメ人間
  • 王道ラブシーンは始まらない

次はスノーシャークか、ゾンビシャーク、ダブルヘッド・ジョーズあたりを観ましょう! きっと本作より面白い……はず!


※2022/5公開。2022/7/18再編集。動画・画像はお借りしています。